2ntブログ

Attache-moi, aime-moi

marieのひとりごと

鍵 I

ミント鍵1


mintの日記はいつの間にかきえてしまうから
ここに残しておくわ



去年の晩春に書いていた掌編




4話目を書いていなくて
物語はまだ終わっていないの



今でも時々続きをどうしようかなって考えてる




まりえの




終わらない古い館の鍵物語







***********







鍵 l


疲れ果てた彼女は
古い城壁のなかへ逃げ込んだ

素足のまま
冷たい石畳の路地を彷徨い
冷えきった躰を温めることも出来ず
とうとう彼女は路地奥で倒れこんでしまった

意識が朦朧とし
声を出すことも出来なかった彼女は
抱きかかえられ
古い館に運ばれた

鈴のような音が聞こえ
鍵は静かに差し込まれ

ゆっくりと扉が開いてゆく

眠ったまま、彼女の冷えきった躰は温められ肌の色を取り戻していく

暖かさのなかで、彼女の感覚はまどろんでいる
鍵はどこにあったのだろう
ずっと探していたあの鍵を
預かってくれていたのは誰だろうと

静かに鍵はまわされて
その扉はゆっくり開く








le 15 Mai 2013