鞦韆吊り 04 -26, 2014 未分類 0 comments 0 trackbacks 鞦韆ってぶらんこ と読むと知ったのは平野啓一郎の「一月物語」ぶらんこは小さなころから好きな遊具その公園のブランコは藤の花が満開になる季節には花の香りにうっとりしてつい人の姿に戻ってしまう押し開かれた両脚の奥が藤の花によく見えるようにもう長い間吊られている藤の花の香りが好きだと言ってしまったらあなたも魅入られてブランコにされてしまうわだから気をつけてla balançoire 女性名詞なのはブランコにはこんな秘話があるから
Deux bagues d'or 04 -19, 2014 未分類 2 comments 0 trackbacks 穿たれた二つの穴に金のリングが下げられその刻印は息をするだけで蠢いていつも濡れて光っているいつでもわたしを押し開いて下さいと。L'esclave pour le rapport sexuel.
かたつむりの沈黙 04 -10, 2014 未分類 0 comments 0 trackbacks なんだかタイトルがぴったりしないわ…三半規管ってお耳の奥のカタツムリかと思っていたらその隣の器官だったのねまりえは三半規管がのんびりしてるから横向きで吊られた時は、もうどうなっているのかよくわからなかったの不思議な時間を旅していたの
鍵 Ⅲ 04 -04, 2014 未分類 0 comments 0 trackbacks 鍵 Ⅲ 秘密薬草園の植物にはラテン語名が記されていたr o s - m a r i n u sロス-マリヌスその意味が海の雫であるローズマリーのことだということをその薬草園で彼女は知った。髪は艶やかに輝き肌は日毎に白く透け彼女はますます美しく健やかな日々を過ごしていたが、相変わらず夕刻になると深い深い眠りに落ちてしまうことに抗うことは出来なかったそれには理由があった彼女はその城郭の王家に納める密造酒を完成させるためにその館の主に毎夜深い眠りの中で秘儀を施されその躰を薬草酒の桶に明け方まで浸されていたのだった le 9 Juin 2013
鍵 Ⅱ 04 -03, 2014 未分類 0 comments 0 trackbacks 鍵 Ⅱ 密造酒の館赤みを帯びた月が昇る夕暮れになるとウトウトして今夜もまた彼女にとって長く深い夜が始まる強引な睡魔に襲われて彼女は深い眠りの世界へと引きずりこまれしまう目覚めるのは翌日の陽もずいぶんと高くなってから古くから薬草酒を造っているその館で彼女は深い眠りに誘われてしまう昏々と薬草が液体のなかに溶け出していくように le 26 Mai 2013
鍵 I 04 -02, 2014 未分類 0 comments 0 trackbacks mintの日記はいつの間にかきえてしまうからここに残しておくわ去年の晩春に書いていた掌編4話目を書いていなくて物語はまだ終わっていないの今でも時々続きをどうしようかなって考えてるまりえの終わらない古い館の鍵物語***********鍵 l疲れ果てた彼女は古い城壁のなかへ逃げ込んだ素足のまま冷たい石畳の路地を彷徨い冷えきった躰を温めることも出来ずとうとう彼女は路地奥で倒れこんでしまった意識が朦朧とし声を出すことも出来なかった彼女は抱きかかえられ古い館に運ばれた鈴のような音が聞こえ鍵は静かに差し込まれゆっくりと扉が開いてゆく眠ったまま、彼女の冷えきった躰は温められ肌の色を取り戻していく暖かさのなかで、彼女の感覚はまどろんでいる鍵はどこにあったのだろうずっと探していたあの鍵を預かってくれていたのは誰だろうと静かに鍵はまわされてその扉はゆっくり開く le 15 Mai 2013
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