2ntブログ

Attache-moi, aime-moi

marieのひとりごと

2014年04月の記事

鞦韆吊り

ブランコ吊り


鞦韆って


ぶらんこ と読むと知ったのは



平野啓一郎の「一月物語」





ぶらんこは




小さなころから

好きな遊具






その公園のブランコは

藤の花が満開になる季節には

花の香りにうっとりして

つい人の姿に戻ってしまう


押し開かれた両脚の奥が

藤の花によく見えるように

もう長い間吊られている




藤の花の香りが好きだと言ってしまったら

あなたも魅入られて


ブランコにされてしまうわ



だから気をつけて





la balançoire




女性名詞なのは




ブランコには

こんな秘話があるから





























Deux bagues d'or

lalabiapiasu04122014




穿たれた二つの穴に





金のリングが下げられ






その刻印は






息をするだけで蠢いて







いつも濡れて光っている









いつでもわたしを押し開いて下さい







と。








L'esclave pour le rapport sexuel.






shimako






かたつむりの沈黙

よこ吊り


なんだかタイトルがぴったりしないわ…





三半規管ってお耳の奥のカタツムリかと思っていたら



その隣の器官だったのね






まりえは三半規管がのんびりしてるから





横向きで吊られた時は、


もうどうなっているのかよくわからなかったの




不思議な時間を旅していたの







鍵 Ⅲ

mint鍵3





鍵 Ⅲ 秘密

薬草園の植物には
ラテン語名が記されていた

r o s - m a r i n u s

ロス-マリヌス

その意味が海の雫である
ローズマリーのことだということを
その薬草園で彼女は知った。


髪は艶やかに輝き
肌は日毎に白く透け
彼女はますます美しく
健やかな日々を過ごしていたが、
相変わらず夕刻になると
深い深い眠りに落ちてしまうことに
抗うことは出来なかった


それには理由があった


彼女はその城郭の王家に納める密造酒を完成させるために
その館の主に毎夜
深い眠りの中で秘儀を施され
その躰を薬草酒の桶に
明け方まで浸されていたのだった









le 9 Juin 2013









鍵 Ⅱ

mint鍵2



鍵 Ⅱ 密造酒の館




赤みを帯びた月が昇る

夕暮れになるとウトウトして
今夜もまた彼女にとって
長く深い夜が始まる

強引な睡魔に襲われて
彼女は
深い眠りの世界へと
引きずりこまれしまう

目覚めるのは
翌日の陽も
ずいぶんと高くなってから

古くから薬草酒を造っているその館で
彼女は深い眠りに誘われてしまう

昏々と
薬草が液体のなかに溶け出していくように







le 26 Mai 2013











鍵 I

ミント鍵1


mintの日記はいつの間にかきえてしまうから
ここに残しておくわ



去年の晩春に書いていた掌編




4話目を書いていなくて
物語はまだ終わっていないの



今でも時々続きをどうしようかなって考えてる




まりえの




終わらない古い館の鍵物語







***********







鍵 l


疲れ果てた彼女は
古い城壁のなかへ逃げ込んだ

素足のまま
冷たい石畳の路地を彷徨い
冷えきった躰を温めることも出来ず
とうとう彼女は路地奥で倒れこんでしまった

意識が朦朧とし
声を出すことも出来なかった彼女は
抱きかかえられ
古い館に運ばれた

鈴のような音が聞こえ
鍵は静かに差し込まれ

ゆっくりと扉が開いてゆく

眠ったまま、彼女の冷えきった躰は温められ肌の色を取り戻していく

暖かさのなかで、彼女の感覚はまどろんでいる
鍵はどこにあったのだろう
ずっと探していたあの鍵を
預かってくれていたのは誰だろうと

静かに鍵はまわされて
その扉はゆっくり開く








le 15 Mai 2013